
アフターピル(緊急避妊ピル)について、大切な情報をまとめました。
【まさかの時の72時間】アフターピルで後悔しない選択を
・避妊に失敗!?そんな時、アフターピルという選択肢
避妊をせずに性交渉をしてしまった、コンドームが破れたり外れてしまったなど、予期せぬ事態で妊娠が心配になった時に、緊急的に服用するのがアフターピルです。
・どうやって妊娠を防ぐ?アフターピルのメカニズム
アフターピルは、服用するタイミングによって異なる働きをします。
排卵前に服用した場合は排卵を遅らせることで、排卵後に服用した場合は受精卵が子宮に着床するのを防ぐことで、妊娠を回避します。
・服用後の体の変化:出血と生理について
アフターピルを服用後、3日から3週間の間に出血が見られることが多いですが、これは薬の効果によるものです。
次の生理は、服用から1週間前後で始まる方もいれば、2週間以上経ってから始まる方もおり、生理周期が通常とずれることがあります。
【1回1錠で安心を】当院で取り扱う2つのアフターピル
<時間がない時の頼れる味方:レボノルゲステレル(ノルレボ)>
避妊効果が高く、吐き気や嘔吐、めまいなどの副作用はほとんどありません。
服用が早ければ早いほど効果が高く、避妊に失敗してから24時間以内であれば避妊率は95%以上、72時間(3日)以内でも85%の避妊成功率があります。
<72時間過ぎてもまだ間に合う:エラ>
レボノルゲステレルと比較すると、吐き気、頭痛、腹痛などの副作用が出る可能性はありますが、避妊に失敗してから72時間(3日)以上経過してしまっても、120時間(5日)以内であれば90%以上の避妊効果が期待できます。
3日以上経過している場合は、エラの内服をおすすめします。
ただし、エラは同じ生理周期内で再度服用することはできません。
次の生理が来るまでは、しっかりと避妊をするか性交渉を控えるようにしてください。
【知って安心】アフターピルのあれこれ
・アフターピルの効果は一時的!その後の避妊も大切
アフターピルの避妊効果は、服用後の性交渉には期待できません。
そのため、その後もきちんと効果的な避妊を続けるか、性行為を控えるようにしましょう。
・100%ではないからこそ。自己チェックを忘れずに
いずれのアフターピルも、100%妊娠を回避できるわけではありません。
服用後3週間経過しても、いつも通りの生理のような出血がない場合は、妊娠の可能性も考えられるため、妊娠検査薬で確認するようにしてください。
万が一、避妊に失敗して妊娠が成立してしまっても、服用したアフターピルが胎児に悪影響を与えることはなく、胎児奇形や将来の不妊の原因になることもありません。
・生理が来た?いつもより量が少ないと感じたら
予定通りの時期に出血があっても、いつもより出血量が少ないと感じる場合は、妊娠初期の不正出血の可能性も否定できません。
念のため、アフターピルを服用して本当に避妊できたか確認するために、心配な性交渉から3週間程度経ったら市販の妊娠検査薬で妊娠の有無を確認してください。
・すでに妊娠している方は服用できません
アフターピルは中絶薬ではありません。
すでに妊娠している方が服用しても効果はありません。

・安心できる未来のために。低用量ピルも検討してみませんか?
予期せぬ事態への備えとしてだけでなく、パートナーとの関係を安心して続けるために、低用量ピルの服用も選択肢の一つとして考えてみませんか。
最後までお読みいただきありがとうございました。
次回ブログを楽しみにお待ちください!
北岡 江里 医師(婦人科)
診療日 AM:火・水・木・土 PM:月・水・木