生理痛(月経困難症)を放置してないですか?
生理(月経)は子宮の中にたまった血液が内膜と一緒にはがれ落ち、膣から出てくる生理的現象です。
健康な女性はだいたい月に1回(24日〜38日の範囲で)生理がおこります。
この生理のときに、おこる下腹部痛を生理痛(月経困難症)といいます。
生理痛がまったくない!という女性はほとんどいないとおもいますが、この痛みは、子宮がたまった血液を外に出そう出そうとして筋肉が収縮する際におこります。
軽いものはあたためたり、からだをすこし動かしたり、鎮痛剤を服用することで日常生活に支障なく過ごせるものです。
ですが、生理痛は婦人科の病気(子宮筋腫、子宮内膜症、卵巣のうしゅなど)ができていますよ、という体からのサインとして出ることもあります。
最近、生理痛がひどくなってる。鎮痛剤(イブ、バファリン、ロキソニンなど)を飲む頻度が増えている、痛み止めが効かない痛みがある、生理時以外もお腹がいたくなるなどの症状がある場合は、必ず婦人科の受診をすることをおすすめします!
たとえば、10-20代は生理が軽かったのに、30-40代になって生理が軽くなるどころか逆に重く、ひどくなってきた!というケースは注意が必要です。
生理痛がつらいと集中力も低下し、労働生産性も下がります。
2013年の調査における研究チームの試算では休業や仕事の効率低下といった労働損失を含め、生理痛など月経関連の不調に伴う社会的な損失は年間6828億円に達するとの報告でした。
またこの調査で約2万人の対象者のうち、約75%が月経時の痛みや集中力低下などの自覚症状があると回答し、別の調査でも女子中高生の約70%が生理痛により勉強や運動に影響をうけていると答えました。
軽いものなら多くは通院治療で対処できるのに、未受診で治療をしていない女性も多いのです。
前述の調査では通院経験のある人は全体の20%で、症状が強い人でも30%強だったと報告されています。
また、生理痛はただ女性の生活の質をさげるだけでなく、不妊症にも関係する子宮内膜症という病気の発症につながるといわれています。
オーストラリアの調査では思春期に生理痛のある女性は、それのない女性に比べて将来子宮内膜症になる可能性が2.6倍高いと報告されています。
学校や仕事休まないといけないような痛み、痛み止めをたくさん内服しないと動けないような痛み、だんだんと強くなっている痛み、は要注意です。
月経に異変を感じたら早めに治療することが大事です。
学校や仕事が忙しくても、まずは一度近くの婦人科・産婦人科に受診することをおすすめします。