肝斑ってなに?
・頬骨、目尻、おでこ、下まぶた、鼻下、口元にある薄茶色~黒色の色素斑
・色素斑の輪郭ははっきりしない
・30~50代になって出現した、または増えた、色が濃くなってきた
・妊娠・出産・更年期・ピル内服中に出現した
肝斑ってなんでできるの?
妊娠・授乳・ホルモン剤(ピル・経口避妊薬)の服用などによる、女性ホルモンのバランスの変化やストレスによるホルモンバランスの乱れなどをきっかけに発症すると言われています。
また、過度のマッサージやスクラブの使用、肌を擦るなどの物理的刺激(摩擦性肝斑)や紫外線が悪化因子になります。
肝斑の生成過程は複雑であり、「プラスミン」と呼ばれる酵素が肝斑生成に大きく関わっています。
プラスミンは血液の凝固を溶かす働きをする酵素ですが、皮膚では炎症を引き起こす因子として働きます。
ホルモンバランスの変化や紫外線などの外的刺激により、皮膚の細胞からプラスミンが産生され、これがメラノサイトに働きかけ、その結果メラニンの生成が促進され、肝斑として色素斑を生じます。
肝斑の治療は?
肝斑治療では第一にトラネキサム酸の内服を行います。
トラネキサム酸は以下の作用機序により肝斑治療に有効とされています。
① メラノサイトに直接働きかけ、メラニン合成を阻害する
② 抗プラスミン作用により、メラノサイト活性化を抑制し、間接的にメラニンの生成を抑える
③ 肝斑での血管新生にかかわるVEGF(血管内皮細胞増殖因子)や血管新生由来のbFGFといった物質を抑制する
トラネキサム酸内服中でも、徹底したUVケアや摩擦を極力避けた肌のお手入れなど、生活習慣の見直しが重要です。
また、塗り薬も併用して使用することで肝斑の治療効果を高めることができます。
肝斑の塗り薬としては、ハイドロキノン、レチノイド、ビタミンC誘導体などがあります。
ハイドロキノンは強力な肌の漂白剤で、メラニンの生成を抑制してシミや色素沈着の改善に役立ちます。
ビタミンAの一種であるレチノイドは皮膚のターンオーバーを正常化し、メラニンの排泄を早めます。
抗酸化作用のあるビタミンC誘導体はシミの形成を防ぎ、肌をトーンアップさせる効果があります。
当院では豊富なドクターズコスメの中から、ご予算も考慮しながら、患者様の肌質や生活習慣に合ったものをご提案させていただきます。
ドクターズコスメは、市販の基礎化粧品よりも非常に高い効果が得られ、美容液1本の内容量も多いため、コストパフォーマンスはとてもいいと思います。
ぜひ当院でご相談ください。
また肝斑の治療は難しく、完全に消失しない場合があること、消失しても日焼けや肌の擦りすぎにより再発する可能性が0でないことも念頭に置いて治療を始める必要がございます。
最善の効果が得られるよう、丁寧に診察させていただきます。
皮膚科専門医 天野友里恵
天野先生の診察は毎週木曜日の午前(10:00~13:30)です。
完全予約制となっていますが、空き状況により当日予約もお受けいたしますので、まずは当院までご相談ください。