「性感染症(性病・STD・STI)」は性行為でうつる感染症で、いくつも種類があります
性感染症は性行為によって感染する感染症です。「クラミジア感染症」「淋菌感染症」「梅毒」「性器ヘルペス」「HIV」「尖圭コンジローマ」「トリコモナス」「マイコプラズマ・ジェニタリウム」「B型肝炎」「C型肝炎」などがあります。
「クラミジア感染症」は症状があまりありません
クラミジア感染症は最も多くの人がかかっている性感染症です。
強い症状があまり出ないことが多く、気がつきにくいのですが、時に強い下腹部痛を引き起こしたりします。クラミジア感染症を長年放置してしまうと不妊の原因になることもありますので注意が必要です。妊婦の感染は新生児のクラミジア産道感染の原因となり、新生児肺炎や結膜炎を起こします。口腔性交(オーラルセックス)による咽頭感染の頻度も高く、成人の咽頭炎が報告されています。
クラミジア感染症の主な症状
- おりものの量が増える
- おりものの匂いが気になるようになる
- 下腹部に痛みを感じる
- 排尿時に痛みや違和感を感じる
- のどの痛みやはれ
「淋菌(りんきん)感染症」も増えています
クラミジア感染症に次いで多いのが、淋菌感染症です。
クラミジア同様、女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多く、骨盤炎症性疾患、不妊症、子宮外妊娠、慢性骨盤痛の主要な原因となっています。
その他、咽頭や直腸の感染では症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となります。
淋菌感染症の主な症状
- おりものの量が増える
- おりものの匂いが気になるようになる
- 下腹部に痛みを感じる
- 排尿時に痛みや違和感を感じる
- のどの痛みやはれ
しこりやほっしんが出たら「梅毒(ばいどく)」かもしれません
最近、梅毒がとても流行しています。特に若い女性の感染が増えています。
感染後3~6週間程度の潜伏期を経て、様々な症状が現れます。口や肛門、性器にしこりができる(無痛性のリンパ節腫脹)第1期、手のひら・足底などを含む全身に多彩な湿疹、脱毛等ができる第2期に発見すれば、治療は十分に可能です。進行するにつれ治療も難しくなります。
梅毒の主な症状
- しこりができる
- リンパ節のはれ
- 小さなバラの花のような発疹
- 発熱
- 疲労感
- 食欲がでない
- 体重の減少
- 毛が抜ける
外陰部にできる痛い水疱(すいほう)は「性器ヘルペス」の可能性があります
性器ヘルペスは特に10代後半から20代の女性に多く見られる病気で、原因のほとんどが性行為による感染です。ウイルスの種類によって1型と2型でわけられており、1型は口の周りに、2型は性器の周りに症状が出ることが多いです。初回の感染は症状が強い事が多く、激しい痛みを伴うことがあります。性器と性器だけでなく、口と性器の接触でも感染はおこります。
性器ヘルペスの主な症状
- 赤い発疹や水ぶくれができる
- ムズムズするようなかゆさやひりひりする感じがする
- 痛みを感じる
- 発熱
- 排尿時の痛み
性器や口(喉)、皮膚などに症状が出たらまずクリニックに相談を!
性感染症(性病)は受診するのに勇気がいる病気だと思いますが、多くは薬で完治する病気です。少しでもあてはまるものがあれば、早めに医療機関を受診しましょう。