頭痛もいろいろ②:生理前・更年期の頭痛のメカニズム…ホルモン変動との深い関係

本ブログは、頭痛に関するお役立ち情報をお届けする全6回シリーズの第2回目です。


頭痛と月経・婦人科疾患(内膜症)との関連

生理前や生理中の頭痛は、体内で起こるホルモンや炎症物質の変動が原因です。

  • 子宮内膜症で分泌されるプロスタグランジンという物質は、月経痛だけでなく頭痛も引き起こすことがあります。
  • 月経痛のある人は頭痛の頻度が高くなるともいわれています。
  • このため子宮内膜症の既往がある女性は、そうでない女性に比べて片頭痛を発症するリスクが高い可能性があるとされています。

内膜症も頭痛も大きくとらえると炎症という同じグループに入ります。
慢性的な炎症や痛みがある人は、自律神経の乱れを引き起こし、それがまた頭痛の原因になることもあります。

Q. なぜ生理前になると頭痛がひどくなるの?

ホルモンの急激な低下が、脳の血管に影響を与えます。

  • 生理前は、卵巣から分泌されるホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に低下することで、脳内の血管が拡張し、頭痛を引き起こすと考えられています。
  • エストロゲンの減少は、脳内のセロトニンという物質の減少にもつながります。
  • セロトニンは血管の収縮や痛みの抑制に関わるため、減少すると血管が拡張し、頭痛が起こりやすくなると考えられています。
  • また、生理前に分泌量が増えるホルモン(プロスタグランジン)は、子宮の収縮や血管の拡張を促し、体内に水分を溜め込みやすくなるため頭痛を引き起こすことがあります。

貧血による頭痛にも注意

  • 子宮内膜症や過多月経などで出血量が多くなると、貧血になり、その結果として頭痛やめまいなどの症状が現れることがあります。

つまり、月経に伴う婦人科の症状を改善すると頭痛を軽減することが期待できる可能性があります。


次回予告: 第3回では、「専門家が解説!女性の頭痛を和らげる「婦人科」での治療法」について、詳しくお話しします。

最後までお読みいただきありがとうございました。


北岡 江里 医師(婦人科)
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